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法律トピックス

民法改正【損害賠償請求権に関するルールの見直し】 (2020.04.07)

民法改正【損害賠償請求権に関するルールの見直し】

前回の記事では、経過措置に関するルールを取り上げました。

⇒契約に関するルールの経過措置はこちら
⇒債権の消滅時効に関するルールの経過措置はこちら

今回は、損害賠償請求権に関する変更点を見ていきましょう。

今回の改正により、利息が発生する債権について当事者が利率を定め無かった場合に適用される法定利率が『年5%→年3%』に引き下げられ、更に市中金利の動向に合わせて3年毎に法定利率が自動的に変動する仕組みが導入されています。
この法定利率の見直しに伴い、事件又は事故に遭われた方が請求することができる損害賠償金の額にも以下の点で影響が及びました。

 

≪中間利息控除に関するルール≫

~中間利息控除とは?~
金銭の運用には利息がつくため、現在の100万円と1年後の100万円では価値が異なります。このため、将来の収入が減少するという損害を被った場合、その金額を現在の金銭価値に引き直して、賠償額を算出します。
これを中間利息控除と言いますが、控除に用いられる利率が低くなる=控除額が減少するため、相対的に賠償額は高くなります

中間利息の控除にはこれまで法定利率が用いられており、この点は改正後の民法においても変更ありません。
今回の改正で法定利率が見直されたことによって、中間利息控除についても、見直し後の法定利率が用いられることとなります
但し、施行日前に損害賠償請求権が発生した場合には、中間利息控除に用いる法定利率については、改正前の民法が適用されます。

事例
①施行日前の2019年4月、相手方の不注意による交通事故で傷害を負い、重い後遺症が残った。
②施行日後の2021年4月、加害者に対して損害賠償金の支払を請求した。

施行日前に損害賠償請求権が発生した場合には、中間利息の控除に用いる法定利率については改正前の民法が適用されるため、年5%の割合で中間利息の控除がされます

 

≪遅延損害金の額に関するルール≫
加害者が損害賠償金の支払いを怠った場合には、遅延損害金を支払わなければなりません。その際の賠償金の額は、合意がない限り、法定利率によって定められています
今回の改正によって法定利率が見直され、合意がない場合の損害賠償請求権の遅延損害金は、改正後の法定利率を基に定められることとなります
但し、施行日前に債務者が遅滞の責任を負った場合の遅延損害金の額は、利率が約定されていない限り、改正前の民法における法定利率によって定められることとなります。

事例
①施行日前の2019年4月、相手方の不注意による交通事故で傷害を負った。
②施行日後の2021年4月、加害者に対して損害賠償金の支払を請求した。

施行日前に債務者が遅滞の責任を負った場合には、遅延損害金の額は、利率が約定されていない限り、改正前の民法における法定利率によって定められることとなります。
このため事例では、交通事故の被害者は損害賠償請求権の元本に対する年5%の割合による遅延損害金の支払を請求することができます。

なお、不法行為に基づく損害賠償請求権については、不法行為があった時に直ちに債務者が遅滞の責任を負うと考えられているため、不法行為が施行日前であるか施行日後であるかが遅延損害金の額を決める基準となります。

 

次回トピックスでは【賃貸借契約に関するルールの見直し】を取り上げていきます。
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