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法律トピックス

民法改正【賃貸借契約に関するルールの見直し➁】 (2020.04.13)

前回の記事では、賃貸借継続中の賃貸借契約のルールの見直しについて取り上げました。

⇒【賃貸借契約に関するルールの見直し①】はこちら

今回は、賃貸借契約終了時に関するルールについて見ていきましょう。

≪賃貸借終了時のルール≫
●賃借人の原状回復義務及び収去義務等の明確化

事例
Aさんは、Bさんから借りていた家を退去することになったが、Bさんから、日焼けしたクロスの張替費用を負担するよう求められた。
Aさんとしては、クロスの張替費用まで負担する事には納得がいかない。

 

【改正前】
賃貸借契約が終了した場合、賃借人は、賃借物を原状(元の状態)に戻して賃貸人に返還しなければなりません(原状回復義務)。
この原状回復義務の範囲について、一般に、通常損耗(賃借物の通常の使用収益によって生じた損耗)及び経年変化はその対象に含まれていないと解されています。
しかし、これらのルールについて文言上は明確化されていませんでした。

【改正後】
賃借人は、賃借物を受け取った後に生じた損傷について原状回復義務を負うこと、しかし、通常損耗や経年変化については原状回復を負わないこと明記されました。

 

 

●敷金に関するルールの明確化

事例
Aさんは、Bさんから家を借りた際に「保証金」という名目で賃料債務等の担保として金銭を差し入れた。
賃貸借契約が終了し、Aさんはこの家を退去したが、賃料の未払等はないのに、Bさんは差し入れた金銭を返還してくれない。

 

【改正前】
『敷金』とは、賃貸借に基づいて賃借人が負うことになる金銭債務(賃料債務など)を担保するため、賃借人が賃貸人に交付する金銭の事です。
一般的に、建物等の賃貸借に当たっては敷金が授受されますが、敷金の定義や敷金返還請求権の発生時期について規定はありませんでした。

【改正後】
これまでの実務に従い、敷金「いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる、賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保するために、賃借人が賃貸人に交付する金銭」と定義しました。
その上で、判例に従い、賃貸借契約が終了して賃借物が返還された時点で敷金返還債務が生じることその額は受領した敷金の額からそれまでに生じた金銭債務の額を控除した残額であること、などのルールを明確化しています。

 

 

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